内藤大助 日本人対決を制する
2007年10月11日
注目の日本人対決となったWBC世界フライ級タイトルマッチはチャンピオンの内藤大助選手が3–0の判定で亀田大毅選手を下し、初の防衛を果たした。
大方の戦前の予想通りの一方的な試合だった。ガードを固めて前へ出る大毅に対し、内藤は巧みに距離をとりながら左右のパンチを浴びせ、終始試合をリードしていた。ジャッジは三者とも大差で内藤有利とする完璧な内容だった。長い間苦労しながら努力を重ねてきたチャンピオンの経験が試合運びのうまさに表れた一戦と言えるだろう。
大毅はあれだけ一方的に打たれながらも終始前へ出る姿勢を崩さなかったのは称賛に値する。ただガードを固めてから前へ出てパンチを繰り出すという亀田家特有のボクシングスタイルは世界の強豪には通用しないと思う。
それからいくら点数で大差がついて勝てる見込みがなくなったからといって相撲か柔道のような投げ技を繰り返すのはみっともないのでやめた方がいい。試合後に相手と握手も交わさずにリングを去るのもアスリートとして見苦しい行為である。
おそらく彼らがセルフプロデュースの仕方を参考にしているであろうと思われる辰吉丈一郎さんは薬師寺保栄さんに敗れた際、試合前は口汚く罵っていたが試合後は敗戦が決まるとリング上で相手の体を高々と抱え上げて勝利を祝福していた。そうした先輩の潔さを少しは見習ってはどうだろうか。まだ若いし将来のある選手なので今後はボクサーとして真っ当に精進を重ねて欲しい。
なおこれは余談だが試合前のセレモニーでC–C–Bと高橋ジョージさんという、それぞれ80年代と90年代を代表する一発屋の共演になったのが何ともおかしかった。対戦する二人の音楽の嗜好がこういう事態をもたらしたのだろう。両者の世代の違いも反映されていて実に興味深かった。
亀田一家の常軌を逸したプロモーションに加担し続けるTBSの番組制作の姿勢は相変わらず気持ち悪い。「大毅は前回対戦したポンサクレックよりはるかに弱かった」という内藤の談話に湧いたボクシングファンの歓声を番組スタッフはどう聞いただろうか…。
コメント
sergaiさんが仰って頂いていますので多くを語る必要もないと思います。
内藤選手が勝利したのは当然の結果だと思います。
-> moonさん
内藤選手は余裕の戦いぶりでさすがに歴戦の強者というところを見せつけましたね。
大毅選手もまずまず健闘したのですが、続けざまの反則行為はいただけないですね。十分反省して出直してもらいたいです。
あのTBSの『亀田マンセー』の放送はうんざりですね。
鬼塚の解説なんかも、まあ協栄繋がりで仕方ないんでしょうけど・・・。
けど、事前のどっちが勝つかアンケートは、
どうやっても大差で「内藤が勝つ予想が多い」っていうのはわかりそうなのに、
あえて強行してしまったのは、TBSもそろそろ
亀田家との縁を切りたいんじゃないかと思ってるんじゃないですかね・・・。
ボクシングの事は全くと言っていいほどわからないのですが、
今日ラジオで内藤選手の事を言っていました。
彼は学生時代はいじめにあっていたそうですね。
(TV放映を見てないので、紹介されてたらごめんなさい)
22歳で勤務先をやめ、時給900円のアルバイト生活をしながらの
トレーニング。
喫茶店で働く奥さんとあわせても月収12万円という
厳しい環境にありながらも、夢を諦めずに努力されてきたからこそ、
今日の姿があるのですね。
苦労されてきた人には誰よりもチャンピオンベルトが似合うと思います。
-> ボランチさん
TBSの放送の気持ち悪さはどこかの独裁国家の国営放送でも見ているかのような気分ですね。あんなことで簡単に洗脳できると思っているのだとすればボクシングファンをなめているとしか言い様がありません。
でも昨日の『NEWS23』では大毅に対してかなり辛辣に扱っていましたし、今日の夕方のニュースでは内藤の家族愛の物語を取り上げていました。変わり身が早いといえばそれまでですが、そろそろ亀田家と手を切りたいという思いもあるのかも知れませんね。
-> sashaさん
私もTV放送の前振りの部分はよく見ていなかったのですが、彼がいじめられっ子だったというのはここ数日スポーツ紙などで伝えられていましたし、TVでも紹介されていたのではないかと思います。
プロボクサーを十数年も続けるというのは並大抵の苦労ではないはずですし、ポンサクレックに二度敗れながら三度目の挑戦でやっと王座を獲得したのはそれこそ血の滲むような努力の成果なのだと思います。チャンピオンベルトはあの傷だらけの顔にこそよく似合いますよね。^ ^