秀逸なBGMのセンス

2009年3月10日

昨日映画と音楽との幸福な邂逅というテーマについて書いたばかりだが、今日も続けて映像と音楽の結びつきに関する話題を。朝日新聞のTV欄に、読者からのTV番組にまつわる質問に編集部が調査して回答するというコーナーがある。今朝のそのコーナーで取り上げられていたのは、「『世界一受けたい授業』という番組で毎回問題にぴったりの曲が流れるのだけど、誰が選曲を担当しているの?」という質問だった。なぜ今朝のこのコーナーが気になったかというと、私はこの番組はたまにしか見ないのだけど、以前見た時にやはりBGMを聴いて選曲のセンスに感動したことがあったからだった。

私が見たのは2004年にノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが来日した際に番組に出演した時のことで、この時流されたVTRに使われていたのがラフマニノフの歌曲「Здесь хорошо」(ここは素晴らしい) Op.21-7をサラ・ブライトマンさんが歌ったものだった。この作品は地球の未来に思いを馳せながら聴くのには実にぴったりの曲で、私はよくぞここでこの曲を使ってくれたものだと感激したのだった。その時のことは以前のブログに簡単に記してある。

編集部の回答によると、この番組で音楽を担当しているのは黒澤隆昌さんという方で、2004年の放送開始以来ずっとこの方がBGMの選曲をしているのだそうだ。今朝の記事のお蔭で今回あらためてお名前を挙げて敬意を表することができるのはありがたいことだ。と同時に世の中に同じことを気にかけている人がいる(もっともこの質問をした方が注目していたのはダジャレのセンスのようだが)と知ることができたのもちょっとうれしいことだった。

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コメント

お久し振りですヒロです・・。
今回のお話とは直接関係無いのですが
美奈子.さんの音源について最近、
気になった事がありましたので
ご報告させて頂きます・・。

それは、去年暮れにリリースされた「ヘイリー」さんの
ベストアルバム「PURE VOICE」です。
もちろん、美奈子.さんとの
「アメージング・グレイス」デュエット版も
収録されています・・。
このスタイルは以前にリリースされた、
ベストアルバムにもあったのですが、
今回は「音質」が違うとの事・・。
どれ位違うかというと、
音の透明度が数段UPするというもの・・。
それも、特別な機器を使わず、
既存のプレーヤーで手軽に実感出来るそうなので、
早速、聴き比べしました・・。

結果は・・、
本当に違いを感じる事が出来る程、
素晴らしい音質でした・・。
ポイントは音源のリマスターでは無く、
CD版の素材を変えたと言う事です・・。
なんでも、従来のCD盤は透明に見えていても実は、
透明度的にはそんなに高くなく、
CD機器の読み取るレーザー光源の屈折率に若干の
歪が生じていたそうです。
今回のCD盤の素材は液晶TVにも使われている、
非常に透明度が高い物が使われ、
レーザーのピックアップの歪がほぼゼロになり、
その為、限りなく「音源マスター」に近いものが聴けるそうです・・。
つまり現時点で・・、
美奈子.さんの歌声を一番ピュアに聴けるCDと言う事です。
ヘイリーさんの歌唱の後に美奈子.さんの
「光・・輝く幸せを・・」と
歌いだした瞬間の余りにもリアルな歌声は、
確かに今迄のどのCDでも、感じる事が出来ないもの・・。
今一番、本田美奈子.というアーティストの歌声に近づける、
今回のヘイリーさんのアルバム・・、
是非一度、実際に聴いてみては如何でしょうか・・。

一応、アルバムの視聴の出来るURLを貼りましたので、聴いてみて下さい。
通常Ver、も同じページで視聴出来るので聴き比べが出来ます。
PCのスピーカーにもよりますが私のヘッポコ、
スピーカーでも高域の広がりと奥行き感に違いが感じ取れました・・。

URL貼るの忘れました・・。
こちらです。
http://www.universal-music.co.jp/classics/hayley_westenra/discography.html

-> ヒロさん

こんばんは。お久しぶりです。

いまはレコード各社がいろいろと工夫を凝らして新しい技術を採り入れているようですね。音質の違いは別にしてもヘイリーさんのアルバムはぜひ聴いてみたいところですが、何せ費用が…。今度の新しいアルバムも、私の好きな「童神」が入っていたりして、そそられてしまいます…。

まあ何にせよ美奈子さんの音楽をいろいろな形で親しめるのはうれしいことですね。

sergeiさん
映画とクラシック音楽との組み合わせという点で、自分が印象に残っているものを挙げるとすれば、ざっとこんなところでしょうか。
①「恋人たち」
 ブラームスの「弦楽六重奏曲1番」より第2楽章
②「みじかくも美しく燃え」
 モーツアルトの「ピアノ協奏曲21番」より第2楽章
③「ゴッド・ファーザー3」
 マスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
④「2001年宇宙の旅」
 R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭部分
⑤「地獄の黙示録」
 ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」よりワルキューレの騎行
⑥「ベニスに死す」
 マーラーの「交響曲5番」より第4楽章
⑦「審判」
 アルビノーニのアダージョ

もちろん、クラシック音楽ならずとも、往年のハリウッド映画をはじめ、映画音楽には数えきれないほどの名曲があります。やはり、映画音楽もミュージカルなどと同様、19世紀ロマン派音楽の美学の1つである「市民に夢と感動を与える音楽」としての役割を果たしてきたということでしょう(特に、往年のハリウッド映画の音楽はワーグナーやマーラー、R.シュトラウスら後期ロマン派音楽の延長線上にある)。

しかし、それにしても、sergeiさんはラフマニノフの音楽が大のお気に入りのようですが、他にお気に入りの作曲家はいますか?

-> ミューズさん

こんばんは。映画もお詳しいんですね。挙げられている作品はほとんどタイトルは知っているのですが、いずれも見たことはありません。でも映画音楽にもいい曲がたくさんありますよね。美奈子さんも歌った『エデンの東』とか『ニュー・シネマ・パラダイスとか…。


お気に入りの作曲家は、そうですね、もちろんチャイコフスキーも好きですし、ショパンも好きです。クラシックを聴き始めた当初はやや苦手にしていたベートーヴェンも今ではすっかりお気に入りの作曲家になりました。好きな作曲家を5人選ぶとなると、あと一人が悩むところです。シューマンもいいし、ドヴォルザークもいいですし…。プッチーニもとても好きなのですが、まだごく一部の作品しかちゃんと聴いたことがないので挙げるには躊躇するところです。現代音楽の作曲家(といっていいのかどうかよくわかりませんが)の中ではショスタコーヴィチが比較的好きです。これも一部の作品しか知らないのですが。

まあでも一番ツボにはまるような感覚をおぼえるのはやはりラフマニノフですね。私にとっては何を伝えようとしているのかが感覚的に最もよく理解できるのがこの作曲家です。これほど傾倒しているのにはほかにも理由があるのですが…、それについてはおいおい語っていこうと思っているところです。

劇中では一流演奏家によるものもあるそうです。私がわかっている範囲で挙げてみると、
「ピアノ協奏曲第3番」(ラフマニノフ)—「シャイン」ピアノ、デヴィッド・ヘルフゴット。
「ピアノ協奏曲第21番」(モーツァルト)—「みじかくも美しく燃え」ピアノ、ゲザ・アンダ。
「チェロ協奏曲」(エルガー)—「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」チェロ、ジャクリーヌ・デュ・プレ。
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」(R.シュトラウス)—「2001年宇宙の旅」指揮、カール・ベーム。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。
交響詩「魔法使いの弟子」(デュカス)—「ファンタジア」指揮、レオポルト・ストコフスキー。フィラデルフィア管弦楽団。
ディズニー映画である「ファンタジア」は他にもストコフスキーによる音源が多数あり、また、「ファンタジア2000」はジェイムズ・レヴァインが音楽を担当。
「戦場のピアニスト」はショパンの名曲のオン・パレードと言っても過言ではないと思います。今昔のピアニストを使ったのではないのでしょうか。
完全にサントラという訳ではないが、古今東西、人物伝のものはアフレコのように入れ込む。そんなこだわりもあるのでしょう。

-> eyes_1975さん

映画音楽を担当する一流の演奏家も多いですね。最近の例だと浅田真央ちゃんがSPで使用した『ラヴェンダーの咲く庭で』の音楽をジョシュア・ベルさんが演奏していますね。『戦場のピアニスト』はヤヌシュ・オレイニチャクさんが演奏しているようです。

『シャイン』は以前TVで放送された時に見たのですが、最初の方を見逃して途中から見たので父親との関係とか精神に変調をきたした理由とかがよくわからなくて消化不良になってしまいました。また放送してくれないですかね…。

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