「貝がらのうた」

2011年6月 3日

詩:和合亮一 作曲:伊藤康英

3月11日の震災以来、音楽家が鎮魂や復興への祈りをこめた作品を発表することが多くなっている。私もそんなメッセージに連日耳を傾けているところだが、そんな中でとても気に入った作品を見つけたので紹介してみたい。

下の動画で歌われている「貝がらのうた」という作品は福島県在住の詩人、和合亮一さんがTwitterに投稿した詩に、伊藤康英さんが曲をつけたものである。ソプラノは見角悠代さん、ピアノは作曲家自身である。和合さんの当事者ならではの痛切な感覚から紡ぎ出された言葉たちに、伊藤さんはドラマティックな抑揚を伴う美しい旋律によって息吹を与えている。見角さんはこの麗しい祈りの歌に真摯に向き合いつつ、豊かな情感を以て歌い上げて見事である。



伊藤さんはこの曲を含めて数曲を作曲しその動画を公開しているので、それもぜひ聴いてみていただきたい。

また和合さんの詩にはほかに新実徳英さんも作曲していて、自作自演による動画を公開している。やはり本職の声楽家が歌っている分どうしても伊藤さんによるものの方が聴きごたえがあるのでこちらを紹介してみたが、新実さんの作品の方も併せて聴いていただければ、と思う。

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コメント

ご無沙汰しています。何よりも大切な命の尊さが感じられる曲ですね。
毎週土曜日夜のNHKラジオで「絆歌」というのをやっていますが、こういうCD化されていない歌唱も取り上げてくれると良いのにと思いました。
さて、命をテーマに考えると、美奈子.さんでは「Amazing Grace」ミス・サイゴンから「命をあげよう」レ・ミゼラブルのエピローグから「ピープルズ・ソング」を想像してしまいますね。
土曜日にBSプレミアムでトニー賞関連の「日本人が愛した魅惑のミュージカル・ナンバー」 が放送されたのですが、13日だと勘違いしていて、見事に見逃してしまいました。美奈子.さんの「命をあげよう」ご覧になれましたでしょうか?
pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=106-20110611-10-07102

-> ギムリンさん

お久しぶりです♪ そうですね、ラジオなんかでもこういう曲を取り上げてくれるといいですね。

トニー賞関連の番組は事前に情報が入っていたので録画してあるのですが、まだ見ることができていません。本公演前の、今とは歌詞が違うヴァージョンの映像が放映されたんですよね。この映像は以前にも見たことがあるのですが(川口での追悼イベントの時だったかな?)、改めて見ることができるのを楽しみにしています。番組収録の際の様子を新妻聖子さんがレポートして下さっているのですが、「本田さんの可憐さに、ストレートな歌詞の世界観に涙が出た…」と仰っています。

ところでこの日曜は『レ・ミゼラブル』の大千穐楽でしたね。カーテンコールの様子を動画で見たのですが、本来なら宏美さんや歌穂さんと並んで美奈子さんも挨拶されていたんだろうと思うと何とも切ないものがあります…。

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